簿記3級を学んでいこうという連載の2回目です。前回の記事はこちらになります。
前回お話した通り、この連載ではふくしままさゆき先生の動画を使って簿記3級の勉強をしていきたいと思います。
今回は以下の動画で簿記の入門について学んでいきたいと思います。
簿記とは
そもそも簿記とはいったい何なんでしょか?それには、会計について説明しなければなりません。
会計とは
- 企業の活動(仕入、販売、生産)を帳簿につけること
- 帳簿を世間に見せること
- 企業内での管理にもちいられる数値データを計算する(3級には関係ない)
一般で使う「お会計」のように「お金を払うこと」ではありません。企業内の帳簿に関する学問分野です。 対象は一般家庭ではなく、企業になります。企業では帳簿を付けることが義務となっています。世間に見せることを前提としているので共通ルールが必要になります。共通ルールがないと他の企業と比較ができません。
その「帳簿を付けるルール」が簿記になります。
- 帳簿を付けること
- 会計学の入り口であり中心
- 企業では帳簿を付けることが義務となっている。帳簿の付け方の共通ルールが簿記
「帳簿記入」→「簿記」です。
複式簿記
企業でつけている帳簿の記述方式は、一般家庭での家計簿とは異なります。 右側に勘定科目と金額のセットがあり、左側にも同じようなものがあります。 この書き方を複式簿記といいます。
左側の勘定科目と金額のセットを借方、右側を貸方と呼びます。 それぞれの勘定科目には、入出金に対する「見出し」(何に使ったのか、なぜ入金があったのか)です。
勘定科目には5つの概念があります。
- 資産 持っているとプラスのイメージ(お金、建物、商品、備品、債券(商品の時は売掛金、それ以外は未収入金))
- 負債 持っているとマイナスのイメージ(借入金、買掛金(商品の時)、未払金(商品以外の時))
- 純資産 資産から負債を引いたもの
資産 = 負債 + 純資産 の関係が成立します
簿記では3つの事を同時に考えます。これが
- どの勘定項目をもちいるか
- 5つの概念のどれか
- 増加(発生)or減少(取消)
資産と費用は増加(発生)したら借方に書く(減少(取消)したら貸方) 負債、純資産、収益は増加(発生)したら貸方に書く(減少(取消)したら借方)
たとえば、「100万円の土地を現金で買った」場合は土地という資産の増加と現金という資産の減少が同時に発生したことになります。 この場合、以下のように書きます。
(借)土地 1,000,000(貸)現金 1,000,000
この作業を仕訳(仕分けではない)といいます。簿記を勉強することは、ほぼ仕訳を勉強することなのです。簿記をマスターしたということは、仕訳をマスターしたということです。 仕訳をしたときに借方と貸方の金額は必ず一致します。 また、仕訳の際には必ずしも借方から書く必要はありません。借方から書いても問題ありません。
続いて別の例をご紹介します。「電気代10万円を現金で支払った」場合は、現金という資産が減少して、水道光熱費という費用が発生していますので、仕訳は以下のようになります。
(借)水道光熱費 100,000(貸)現金 100,000
となります。
もう1つ解いてみましょう。「銀行と借金100万円の契約をし、普通預金に入金された」場合は、普通預金という資産が増えて、借金という負債(この場合の勘定科目は借入金)が発生しています。
(借)普通預金 1,000,000(貸)借入金 1,000,000
となります。
つづいて、ちょっと違う形の仕分けを見てみましょう。「900万円のビルを購入した(明渡済)、代金は現金で支払った」場合は、
(借)建物 9,000,000(貸)現金 9,000,000
となります。これが「900万円のビルを購入した(明渡済)、代金は月末払いとした」となった場合はどうなるでしょうか? 仕訳は以下のようになります。
(借)建物 9,000,000(貸)未払金 9,000,000
建物は購入しましたが、代金を払っていないので発生した負債(勘定科目は未払金)を貸方に書きます。
さらに「上の取引で発生した未払金を900万円を普通預金から支払った」場合は
(借)未払金 9,000,000(貸)普通預金 9,000,000
となります。負債(未払金)が解消したので借方に、資産(普通預金)が減少したので貸方の記載します。 借方と貸方は常に金額が一致しますね。
次回も引き続き入門
いかがでしょうか。こうして仕組みが見えてくると面白くなってきますね。でも、入門編の動画はまだ半分なんです。次回は残り半分に取り組みたいと思います。お楽しみに!!