簿記の入門_2(簿記の学習_03)

簿記3級を学んでいこうという連載の3回目です。前回の記事はこちらになります。

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この連載ではふくしままさゆき先生の動画を使って簿記3級の勉強をしていきます。

今回も引き続き、以下の動画で簿記の入門の後半について学んでいきたいと思います。

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ちょっと込み入った仕訳

これを踏まえて簡単な仕分けの例をご紹介しました。今回は少し込み入った仕訳に挑戦してみます。

「500万円の土地を購入した(明渡済)代金はそのうち200万円は現金で払い、残りの300万円は月末払いとした」という場合はどんな仕分けになるでしょうか。払い方が2つに分かれています。この場合、

(借)土地 5,000,000(貸)現金  2,000,000
                    (貸)未払金 3,000,000

となります。貸方の勘定科目が2つになります。この場合、とくに上下の順番はありません。やはり借方の半額と貸方の金額(の合計)が一致します。

もう1つの例をご紹介します。「取引先に現金100万円を貸した」場合です。今度はお金を貸し付けています。この場合、

(借)貸付金 1,000,000(貸)現金 1,000,000

この場合は現金という資産が減少して、お金を貸したので債権が発生します。将来的にお金を受け取れる(返してもらえる)権利(資産)です。この場合、勘定科目は貸付金となります。

となります。

商品売買の仕訳

商品の売買は、企業にとっても、簿記会計にとってもメインの活動となります。簿記では「商品の売買」か「商品以外の売買」がとても重要になってきます商品か商品以外かで言葉も使い分けます。

商品の場合→売掛金、買掛金 商品以外の場合→未収入金、未払金

商品に関する記帳方法は複数あります。

分記法

分記法の例です。「9月1日、商品1個を80円で現金購入した」場合の仕分けは

(借)商品 80(貸)現金 80

となります。その後「9月8日、上記商品を100円で現金販売した」とすると

(借)現金 100(貸)商品 80
              (貸)商品売買益 20

となります。80円の資産である商品を100円で売ったので、差額が利益となります。この場合勘定科目は商品売買益(収益)となります。売価、購入費、儲けを分けて記入するので分記法といいます。

分記法の特徴は以下の通りです。

  • 商品購入時は商品として記入
  • 商品の売価は商品と儲けに分けて記入する
  • やや複雑だが利益がすぐにわかる
  • 商品と儲けに分けて記載するので分記法という
  • 商品は資産の勘定科目
  • 商品売買益の儲け(商品売買益)は収益の勘定科目

ところが商品売買については分記法ではなく、次に説明する三分法を使うことがほとんどです。

三分法

それでは上と同じ仕訳を三分法で実施して見ましょう。三分法では商品購入時の仕訳は以下のようになります。

(借)仕入 80(貸)現金 80

また、販売した場合は以下のようになります。

(借)現金 100(貸)売上 100

商品を購入した場合に費用(勘定科目は仕入)の発生とします。また、販売した場合は売上(勘定科目は収益)の発生となります。 これだと利益がわからないのですが、三分法では決算の時に利益をまとめて出します。 三分法では仕入、売上以外に繰越商品という勘定科目を使います。3つの勘定科目を使うので三分法といいます。

三分法の特徴は以下の通りです。

  • 商品購入時は仕入として記入
  • 商品売却時は売上として記入
  • シンプルだが利益がすぐにわからない
  • 仕入 売上 繰越商品の3つの勘定科目を使うので三分法
  • 仕入費用の勘定科目
  • 売上は収益の勘定科目
  • 繰越商品は資産の勘定科目(普段は使わない)

決算

三分法のところで「決算の時に利益をまとめて出す」と述べたのですが、それでは決算とは何でしょうか? 会社の事業活動期間は、通常永続に続きます。しかしそれだと会社の経営状況がわからなくなってしまうので、一定の期間(基本は1年)で区切って事業活動の状態を確認します。これを決算といい、区切ったところを決算日といいます。

それで決算では何をするのでしょうか。決算では決算日から決算日までの間(期中という)の仕訳を集計して表を作ります。この表を財務諸表(一般的には決算書)といいます。財務諸表を作るのが決算の目的です。 代表的な財務諸表は、貸借対照表損益計算書の2つです。

貸借対照表

貸借対照表は、決算日の時点でどれくらい資産があるか(財政状況、STOCKの情報ともいう)をあらわします。 仕訳項目のうち資産、負債、純資産が集計されます。 Balance Sheet(略してBS)と呼ばれることもあります。

損益計算書

損益計算書は、決算日までの期中で、いくら儲かったか(経営成績、FLOWの情報ともいう)をあらわします。 仕訳項目のうち費用、収益が集計されます。また、収益と費用の差が純利益として記載されます。 Profit and Loss statement(略してPL)と呼ばれることもあります。

期中仕訳と決済整理仕訳

普段期中に実施している仕訳を期中仕訳といいます。このほかに決算日に実施する、決済整理仕訳というものがあります。先にご紹介した三分法では、期中仕訳だけでは利益がわかりません。そこで決済整理仕訳で利益を算出します。

つまり決算とは

つまり決算で実施する内容とは

  1. 期中仕訳を集計する。
  2. 決算整理仕訳を作成する。
  3. 決算整理仕訳も折り込んで再集計する。

以上のステップを踏んだうえで、財務諸表(BS,PLなど)を作成して世間に公表することなのです。

次回は現金

いかがでしょうか。朧気ながら簿記というものが見えてきました。まだ先は長いですが頑張ります。 次回は「現金」です。お楽しみに!!

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