現金(簿記の学習_04)

簿記3級を学んでいこうという連載の4回目です。前回の記事はこちらになります。

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この連載ではふくしままさゆき先生の動画を使って簿記3級の勉強をしていきます。

今回のお題は「現金」です。簿記を学ぶには避けて通れないお題ですね。以下の動画で学んでいきたいと思います。

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「現金」の範囲

簿記で扱う勘定科目の「現金」の扱い、は資産になります。

「電気代1万円を現金で支払った。」場合の仕訳は

(借)水道光熱費 10,000(貸)現金 10,000

となります。水道光熱費という費用が発生して、現金という資産が減少します。

売掛金5,000円を現金で回収した。」場合の仕訳は

(借)現金 5,000(貸)売掛金 5,000

となります。売掛金という資産が減って、現金という資産が増えます。 このように非常に簡単です。

それ以外に「現金」に関する論点は、以下の3つになります。

  • 現金の範囲
  • 現金過不足
  • 小口現金

1つずつ見ていきましょう。

現金の範囲

「現金」は現金なのですが、簿記の世界では現金以外にも「現金」として扱うものがあります。通貨代用証券と呼ばれるものです。 具体的には以下になります。これらはすぐに換金できるので、簿記では現金として扱います。

  • 配当金領収書
    株式投資をしている際に、投資先の企業から送られてきます。企業の配当金支払いに使います。これを金融機関に持っていくと、お金に換えてもらえます。

  • 郵便為替証書
    現金を郵送する場合に用いる書類です。現金の郵送は現金書留が一般的ですが、郵便為替証書を送るという方法もあります。これを郵便局に持っていくと現金に換えてもらえます。

この様に「配当金領収書」と「郵便為替証書」は換金性が高いので勘定科目は「現金」となります。

ですので「売掛金2,000円の代金として郵便為替証書を受け取った場合」の仕訳は

(借)現金 2,000(貸)売掛金 2,000

となります。郵便為替証書は勘定科目「現金」として記載します。 また、これ以外にも自己振出の小切手通貨代用証券となるのですが、それは次回に触れます。

現金過不足

現金は入出金の都度に仕訳を行います。一般的に現金の入出金は、非常に頻繁に行われますので間違いやすくなります。ですので定期的に帳簿の内容と、実際の現金があっているかチェックする必要があります。

でも、この時間違いが見つかった場合はどうしたらいいのでしょうか?この時も仕訳で対応します。

「帳簿上の現金残高は11,910円ですが、現金をカウントしたら、11,610円であった場合」の仕訳は

(借)現金過不足 300(貸)現金 300

となります。この時必ず実際有高を正とします。実際有高とは、現金などを実際に保有している残高のことです。今回の場合は実際の現金が帳簿より300円少ないので上のような仕訳になります。 『現金過不足』は仮の勘定科目で、資産、負債、資本、収益、費用のどれにも分類されません。

その後調べたら、切手代300円の記帳を忘れていたことがわかりました。この時の仕訳は

(借)通信費 300(貸)現金過不足 300

となります。これで帳尻が合いました。

逆のパターンではどうでしょうか。「帳簿上の現金残高は11,600円ですが、現金をカウントしたら、11,610円であった場合」の仕訳は

(借)現金 10(貸)現金過不足 10

となります。その後調べたら90円の切手を購入した際に、誤って100円と仕分けしていたことがわかりました。仕訳は

(借)現金過不足 10(貸)通信費 10

となります。

差額が不明の場合は決算で処理するのですが、それは別途説明します。

小口現金

日々の入出金は、入金よりも出金の回数が多いことが普通です。出金の度に担当部署(経理部など)が対応すると非常に煩雑になります。

そこで、あらかじめ各部署にまとまった現金を置いておくことがあります。日々の支払いはその現金から行います。この現金を部署内で管理する人を用度係と呼びます。

用度係は定期的に経理部に支払い状況を報告し、経理部はその報告にしたがって仕訳を行います。(報告を受けないと仕訳はできない)

減った現金はまとめて補充されます。この現金のことを小口現金とよび、この仕組みをインプレストシステムといいます。

以下、仕訳例です。週単位で管理しているものとします。

出納係は用度係に10万円渡した場合

(借)小口現金 100,000(貸)現金 100,000

となります。用度係は日々の支払いを行いますが、この時の仕分けは行いません。

金曜夕方、用度係は出納係に1週間の支払いの領収書を提出しました。ガス代3万円、出張費4万円だとします。出納係はこれを元に仕訳を行います。

(借)水道光熱費 30,000(貸)小口現金 70,000
(借)旅費交通費 40,000

となります。さらに減った小口現金を現金で補充すると、仕訳は

(借)小口現金 70,000(貸)現金 70,000

となります。これを日々繰り返します。

次回は預金

いかがでしょうか。企業での日々の現金管理は、こんな具合で行われているんですね。次回は預金です。いよいよ銀行が絡んでくるんでしょうか。お楽しみに!!

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