手形・電子記録債権(簿記の学習_07)

簿記3級を学んでいこうという連載の7回目です。前回の記事はこちらになります。

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この連載ではふくしままさゆき先生の動画を使って簿記3級の勉強をしていきます。

前回は「商品売買」について学びました。企業活動の主役ですね。

今回のお題は「手形・電子記録債権」です。ちょっと複雑になってきます。以下の動画で学んでいきたいと思います。

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手形取引

手形には約束手形為替手形の2つがあります。簿記3級では約束手形のみを扱います。 約束手形は2者間で、為替手形は3者間で扱う仕組みです。

約束手形は、期日までに決められた金額の支払いを約束する有価証券の1つです。約束手形を受け取った人は、小切手と同じで銀行に持ち込みます。これを「取り立て依頼に出す」といいます。

小切手との違いは受け取った銀行の対応です。小切手の場合は受け取った際に、現金を支払います。約束手形の場合は、取り立て依頼に出されてから4~5か月後に、支払い側の当座預金から、受け取り側の預金口座に振り込まれます。(支払期日は約束手形に記載されている) また、約束手形には収入印紙が貼られます。

約束手形の仕訳を見てみましょう。まずは手形の振出人からです。

「A社は50万円の商品をB社から購入し、代金については手形を振り出した」とした場合、

(借)仕入 500,000(貸)支払手形 500,000

「支払手形」という勘定科目は「買掛金」と同じ負債です。違いは約束手形を使ったかどうかです。

「後日、B社は銀行へ手形を持参し取立依頼をした」とした場合ですが、この場合は何も移動がないので仕訳無しとなります。

「4か月後、手形の期日となって手形が決済された。」時の仕訳は、

(借)支払手形 500,000(貸)当座預金 500,000

当座預金の資産が減って、支払手形の負債もなくなります。

上と同じ場合で、今度は手形を受け取った側(B社)から同じ取引を見てみましょう。手形を受け取る側を名宛人とよびます。最初の仕訳は

(借)受取手形 500,000(貸)売上 500,000

となります。「受取手形」という勘定科目は「売掛金」と同じ資産です。 B社が手形を銀行に渡した際には、同じく仕訳無しです。手形が決済された場合の仕訳は、

(借)当座預金 500,000(貸)受取手形 500,000

となります。

電子記録債権

電子記録債権とは、電子化された売掛金のようなものです。逆に電子記録債務というものもあるのですが、こちらは電子化された買掛金のようなものです。電子化することによって効率をアップさせようとしているのだと思います。

それでは仕訳を見てみましょう。A社は50万円の商品をB社からかけで購入した場合、

(借)仕入 500,000(貸)買掛金 500,000

となりますが、その後A社はB社に対するる買掛金について、電子債権記録期間に債務発生の記録を行ったとします。その際の仕訳は

(借)買掛金 500,000(貸)電子記録債務 500,000

となります。買掛金が電子記録債務に切り替わりました。その後、上記電子記録債務がA社の当座預金から支払われたとすると、

(借)電子記録債務 500,000(貸)当座預金 500,000

となります。

上と同じ場合で、商品を売った側(B社)から同じ取引を見てみましょう。最初の仕訳は

(借)売掛金 500,000(貸)売上 500,000

となります。その後A社はB社に対するる買掛金について、電子債権記録期間に債務発生の記録を行ったとします。その際の仕訳は

(借)電子記録債権 500,000(貸)売掛金 500,000

後日A社から、上記債権の支払いが当座預金にあったとすると

(借)当座預金 500,000(貸)電子記録債権 500,000

となります。

貸付・借入

最後に貸付・借入についてです。

A社はB社に1万円を貸し付けた。場合の仕訳は

貸した側(A社側)
(借)貸付金 10,000(貸)現金 10,000
借りた側(B社側)
(借)現金 10,000(貸)借入金 10,000

となります。ところで、企業間同士の貸し借りでは借用証書を残します。これは手形でも代用できます。

この場合、B社はA社に手形を渡します。この時の仕訳は

貸した側(A社側)
(借)手形貸付金 10,000(貸)現金 10,000
借りた側(B社側)
(借)現金 10,000(貸)手形借入金 10,000

となります。期日になると

貸した側(A社側)
(借)当座預金 10,000(貸)手形貸付金 10,000
借りた側(B社側)
(借)手形借入金 10,000(貸)当座預金 10,000

となるわけです。

次回は「固定資産・経費など」

いかがでしょうか。手形のやり取りなどは普段なじみがないので勉強になりました。 次回は「固定資産・経費など」です。お楽しみに!!

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