構成を考える

HiroCom777です。1月から始まったノンプロ研の技術ライティング講座の講師をしています。

技術ライティング講座の第4回は、「文章を書く技術_1」です。ターゲットを決めて、文章の構造について考えてみようと思います。今回からは、少々まとまった文章(技術同人誌)等を作成するケースについて考えていきます。

ターゲット

ターゲットを決める方法なのですが、ここでのターゲットとは「想定読者」のことです。あなたがプロの執筆者であれば、色々なターゲットを想定してかき分けることが可能でしょう。 でも最初からそんなことできるわけありません。ですので最初は一番身近な人をターゲットにしましょう。それは「自分自身」です。

もともと自分の学びをアウトプットするために書いているわけですから、理にかなっていますよね。自分をターゲットにすれば、今後の方針を簡単に決めることができます。というわけでターゲットは「学ぶ前の自分」が良いと思います。以下の観点から自分自身の状態を整理してみましょう。

  • 環境や背景
    まず自分が置かれている環境を整理してみましょう。職業、職場の状況、年齢、趣味、嗜好などを洗い出してみましょう。自分のことであれば、比較的簡単ですよね。説得力がありますし、体験済の内容を書くのは比較的簡単です。

  • 課題と目的
    何かの課題があって、学んだあとに解決したとします。そのためには、ある程度の時間やお金などのコストがかかったでしょう。振り返ってみて、学んだ過程のムダを排除してかかるコストを下げる方法を提供すれば、それが価値となるわけです。この価値の提供を目的として書いていくと、スムーズに書き進められるのではありませんか?

  • 知識
    わかり易く書くには、ターゲットの知識レベルを想定しなければなりません。レベルによって前提知識の量が異なります。知らないと思われる知識については、事前に説明、もしくは事後早めに説明して回収する必要があります。知識レベルが高い人は説明する内容は少なめですが、初心者は説明しなければならない量が多いので、こちらも大変です。

    書く内容についてはターゲットが「学ぶ前の自分」なので、それよりもやや下のレベルを想定するといいと思います。

文章の構造

ある程度まとまった文章の場合は、構造化して見やすくする必要があります。書籍(技術同人誌)ではなおさらです。素材が集まったら分野ごとに分けて、3~4個のグループに分けましょう。グループ内の要素が多い場合には、さらにそれらの要素を3~4個のグループに分けます。そうして各クループの内容が3~4個以内にするようにします。

なぜ3~4個に絞るかというと、人間の脳内で情報を一時的に保持して処理する能力と、7±2個程度しか同時処理できないといわれているからです。

この作業が完了したら、各グループに名前を付けます。これが各グループの見出しになります。最後にグループごとに各順番を決めます。前提となる事項、簡単な項目、定義などを先に持っていきましょう。

各グループの見出しは、上の階層から

  • 文書

となります。グループ分け、順序、見出しなどは、書き始めてから調整することも多いです。目次はこれを元に作ります。

僕の場合

ここまでご紹介してきましたが、実際にはこの様にきっかりした順番では進まないと思います。僕の場合には普段からブログ記事を書き溜めておいて、それをまとめて書籍にしました。素材を集めて書いたブログ記事を、さらに素材として書いている・・・という感じでしょうか。

  1. 身近な素材を集めてブログ記事を書く
  2. ブログ記事が1つの素材になる
  3. 複数のブログ記事を集めて調整して、1冊の書籍にする

の様な手順になります。ブログ記事を集めた状態で並べる順番を決めます。同時に前後関係を見直して、説明の順番や記述内容の詳細を調整。重複などで不要な部分は削除。必要に応じて修正、加筆します。

手法はそれぞれ

この様に今日お話したことを参考にして、自分に合った方法を見つけていくことが大切だと思います。それにはまず書くことです。書き続けることで何か道が見えてくると思います。 技術ライティング講座は、正しい答えというものがありません。柔軟に考えていきましょう。

それではまた!!