Grove Beginner Kit For Arduino(以下、Beginner Kit)検証報告の3番目です。前回の記事はこちらです。
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今回は、Beginner Kitの中心であるCPUボード(ArduinoUNO互換)について見ていきたいと思います。
Beginner Kitの要 CPUボード
Beginner Kitの中央に配置されているのがBeginner Kitの要であるCPUボードです。取り扱い的にはArduinoUNOと互換があるということになっています。違うところはというと、具体的に以下のポイントになります。
・CPU(ATmega328P)パッケージがDIPから表面実装(QFP)に変更
・USBインターフェース用ICがATmega16U2からCP2102に変更
・ACアダプター(7~12V)からの電源供給機能なし
・USBコネクターがType-Aからmicro USBに変更
・GROVEコネクタ12個を追加
つまり、(初心者が使う分には問題ない範囲で)コストダウンを行った上で、便利に使えるようにしたということですね。実はSeeedからは"Seeeduino Lotus V1.1"という名称で同じ仕様のボードが販売されています。これ単体だけでも1000円強程度のお値段。Beginner Kitはこの記事を書いている時点で送料込みで3000円程度。一緒についてくるGROVEモジュール類を併せれば、Beginner Kitが如何にお得かがわかります。
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モジュールとの接続は?
CPUボードとモジュールの接続ですが、プリント基板上のパターンで配線されています。プリント基板上でCPUボードやモジュールが全体とつながっている部分にはスルーホール(プリント基板で層間にパータンを接続するための穴)があけてあって、パターンを繋げる役目とともにモジュールを切り離しやすくなっています。頭いいですねぇ。
温湿度センサー 3
LEDモジュール 4
ブザーモジュール 5
ボタンモジュール 6
ポテンショメーター 14(A0)
音センサー 16(A2)
光センサー 20(A6)※
※通常のArduinoUNOでは20(A6)という信号は使用できませんが、このCPUボードではアナログ信号として使用できるようです。これは、CUPのパッケージが表面実装のため、パッケージ外に出てくるピンが増えたためと思われます。(DIPパッケージと表面実装のパッケージでは、ICに実装されるピン数が異なります。)同様に21(A7)もスケッチに記述できますが、此方はボード上のコネクタに出ていないため使用できません。(20,21とも使用できるボードもあるようです。)また、20(A6)、21(A7)ともアナログ入力としてのみ使用可能なようです。
また、3軸加速度センサー 、大気圧センサー、OLEDディスプレイ 18(A4)、19(A5)に接続されます。これらのセンサーはI2C通信で接続されています。(I2C通信については、これらモジュールの解説をする際に説明します。)
簡単な動作確認
それでは、今回はボタンモジュール、LEDモジュール、ブザーモジュールの動作を確認する簡単なスケッチを書いてみます。
void setup() { pinMode(4, OUTPUT);//LED pinMode(5, OUTPUT);//BUZZER pinMode(6, INPUT);//BUTTON } void loop() { if (digitalRead(6) != digitalRead(4)) { digitalWrite(4, digitalRead(6)); tone(5, 262, 200); } }
ボタンを押すと、短くブザーが鳴ってLEDが点灯します。ボタンを離すと、また短くブザーが鳴ってLEDが消灯します。
ブザーを鳴らすのにtoneを使用していますが、詳しくは以下の記事を読んでみてください。
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アナログのモジュールを見てみよう
Beginner Kit、本当によくできています。次回はアナログ機能で接続されているモジュール類について見てみます。お楽しみに!!