Gitについて学習する連載の7回目です。前回の記事はこちらになります。 hirocom777.hatenadiary.org 今回は、今まで学んできた内容を一度おさらいしてみようと思います。
Gitはなぜ難しい(と、思われている)のか?
前回までご紹介した内容を繰り返し練習すると、ファイル管理の基本は可能なんだと思います。覚えてしまえばさほど難しくはないですよね。
それではGitはなぜ難しい(と、思われている)のでしょうか?僕は以下の2つが原因なのだと考えています。
* 機能多すぎ
最初にお話したとおり、Gitを作ったのは神様みたいな人なので便利な機能がいっぱいついています。でも、やることは基本データの管理。なのでほとんどの機能は余り使うことはないと思うのです(神様および、めっちゃ頭いい人は別)。自分だけでファイルの管理をするだけならば、ここまでの連載でご紹介した内容だけおさえておけば、十分じゃないですか?
* いっぺんに色々説明しすぎ
そして、これらの機能について一度にたくさん説明している例が多いのです。Gitに関して説明しているWeb記事をみると、ほとんどがGitとGithHubを一緒に説明しています。今までご紹介したとおり、Gitだけでもデータの管理はできるんですよね。まずはGitから順序よく理解を深めればいいのにって思いました。
以上のことを感じて今回の連載をはじめました。そして、ここまで書いた今でも余り気持ちは変わっていないです。
どうしてこうなっているのでしょうか?それは、Git(とGitHub)を使うことで複数の人たちが効率良くプロジェクトを進めていくことができるというのが大きな利点だからなのだと思います。でも、ちょっと急ぎすぎじゃないですか?この連載では、もう少しゆっくり進んでいこうと思います。
以下に、ここまでで出てきた内容をまとめておこうと思います。
Gitを使ったファイル管理の段取り
Gitを使ったファイル管理の段取りを以下に示します。意外とシンプルでしょ?
- ファイルを管理するフォルダーを指定する
- フォルダーを右クリックしてGit Bash HereでGit Bashを開く
- git initでリポジトリを作成する
- フォルダー内にファイルを作成変更する
- git addで管理対象を登録する(ステージング)
- git commitで管理対象を記録する(コミット)
- 以降完成まで4~6を繰り返す。git statusを使って確認しながら作業を進めていくとよい
以前のコミットを確認する方法
以前のコミットを確認する方法です。確認用のブランチを作るのがオススメです。
注意:ブランチを切り替える前には必ずコミットしておきましょう
- git branch 確認用ブランチ名で確認用ブランチをつくる
- git checkout 確認用ブランチ名で確認用ブランチに切り替え
- git log --onelineで確認したいコミットIDを確認
- git reset --hard コミットIDで確認したいコミットに移動
- コミットの状態を確認(変更や修正はしないよう注意すること)
- git checkout 大元のブランチ名で大元のブランチに戻る
- git branch -d ブランチ名で確認用ブランチを削除
ブランチを使って開発を進める
開発用のブランチを作って大元に影響することなく開発を進める方法です。
注意:ブランチを切り替える前には必ずコミットしておきましょう
- git branch 開発用ブランチ名で開発用のブランチをつくる
- git checkout 開発用ブランチ名で開発用ブランチに切り替え
- 開発を進める
- 開発が完了したらコミットする
- git checkout 大元のブランチ名で大元のブランチに戻る
- git merge 開発用ブランチ名で開発用ブランチの内容を大元のブランチに統合する
- 必要であればgit branch -d 開発用ブランチ名で開発用ブランチを削除
今まで勉強したGitのコマンド
ここまで学んだGitのコマンドをまとめておきます。
コマンド | 機能 |
---|---|
git init | リポジトリを作成する |
git status | ファイルの管理状態を確認、表示する |
git add ファイル名 | ファイルを管理対象として登録(ステージング)する |
git commit | 管理対象を記録(コミット)する |
git log | 変更履歴を確認する |
git log --oneline | 変更履歴を確認する(短縮版) |
git show コミットID | コミットIDで指定したコミットの内容を表示する |
git diff コミットID_1 コミットID_2 | コミットID_1とコミットID_2の差異を表示する |
git reset --hard コミットID | コミットIDで指定したコミットに移動する |
git reset --hard HEAD~数値 | 数値で指定しただけ前のコミットに移動する |
git reset --hard ORIG_HEAD | git resetをなかったことにする |
git branch ブランチ名 | ブランチを作成する |
git checkout ブランチ名 | ブランチを切り替える |
git merge ブランチ名 | 指定したブランチと統合する |
git merge --abort | git mergeをなかったことにする |
git branch -d ブランチ名 | ブランチを削除する |
次回はリポジトリ
今回は、今まで学んできた内容のおさらいでした。こうしてまとめるとすっきりしませんか?次回はリポジトリについて解説してみようと思います。