Re:VIEWに挑戦する連載の8回目です。前回の記事はこちらになります。
Re:VIEWの設定
前回は、Re:VIEWを使ってRe:VIEWフォーマットのファイルをPDFファイルに変換しました。
でも、ファイルの内容に不可解な点がありました。実をいうと、変換方法の詳細を設定できる方法があります。今回は、この設定を操作してファイルの内容を改善してみようと思います。
config.ymlの編集
設定はworkフォルダー内のsampledocフォルダーの中にあるconfig.ymlファイルを編集することで可能です。config.ymlファイルはテキストファイルですのでメモ帳などで編集可能です。ファイルを開くと結構な量のテキストが記述されています。今回はこの内比較的よく変更されるだろう内容についてご紹介、修正してみましょう。行の先頭に「#」をつけると、その行は無効となります。
ファイル名
作成されたPDFファイルは、ファイル名がbook.pdfとなっていますが変更しましょう。bookname:でファイル名を指定できます。使用できる文字はASCII範囲となります。
bookname: ReVIEW_CHALLENGE_08
書名
書名がRe:VIEWサンプル書籍となっていましたが、変更しましょう。bookname:で書名を指定できます。
booktitle: Re:VIEWに挑戦
著者名
著者名に知らない人たちの名前が出てきました。この人たちはRe:VIEWを作ってくれた人たちです。aut:で著者名を指定できます。
aut: "HiroCom777"
刊行日
date:で刊行日の指定ができます。省略すると実行時の日付になります。
date: 2022-03-07
目次ページの作成
toc:で目次ページを作成できます。trueを指定すると作成します。省略すると作成しません。
toc: true
ファイルの用途指定
でき上ったPDFファイルは周辺に線が入っていました。これはトンボと言って、この線にしたがって印刷所が印刷機の設定をします。このファイルは印刷用なんです。この設定を変更するには、Re:VIEWで使用している組版処理システムのLaTeXの設定を変更します。LaTeXの設定は、texdocumentclass: で行います。印刷用はmedia=print電子配布版はmedia=ebookを指定します。今回は、電子配布用に変更してみましょう。
texdocumentclass: ["review-jsbook", "media=ebook,paper=a5"]
texdocumentclass:は他にも多様な設定項目があるのですが、ここでは割愛します。詳細を知りたい方は、前回作成したsampledocフォルダー下のstyフォルダー内にあるREADME.mdをご確認ください。
目次として抽出する見出しレベル
Re:VIEWでは行の先頭に「=」を記述することで見出しレベルを設定できます。MarkDowmで言うところの「#」です。 見出しは「=」の数によって6レベルまで指定できます。この内どのレベルまで目次にするかを指定します。
toclevel: 3
見出しの採番
どの見出しレベルまで採番するかを指定します。採番させたくない見出しには「==[nonum]」の様にRe:VIEWファイルに記述します。
secnolevel: 2
もう一度変換してみる
それでは上記の内容でconfig.ymlを修正してPDFファイルを作ってみましょう。前回と同じようにDocker Desktopを立ち上げて、Windows Terminalで以下を入力して実行します。
docker-compose run --rm review rake pdf
すると、今度はトンボの入っていない電子配布用のファイル形式で出てきました。先頭には表紙らしきものが表示されてます。ファイル名も指定した通りになっていますし、タイトルや著者名も変更できました。また、左側にはしおりが表示されてクリックするとそのページに飛ぶようになりました。本の形になってますよ!!
今回作成したPDFファイルは、以下からダウンロードできます。興味のある人は実際に開いて確認してみてください。
ReVIEW_CHALLENGE_08.pdf - Google ドライブ
次回は複数ファイルの変換
いかがでしたか?何だか本らしくなってきましたね。今までは1つのファイルを変換してきましたが、複数のファイルをまとめて1冊の本にすることもできるんです。次回はそちらをご紹介します。お楽しみに!!